ほしなみ☆ろぐ

茨城県取手市のピアノの先生です。このブログは2018年5月に移転しました

芸術その魅力「現代音楽入門講座」第5回(全12回)

      2018/03/01

NHKラジオ第2 毎週水曜 夜8:30-9:00放送『現代音楽入門講座』 講師は、現代音楽作曲家の薮田翔一氏です。

NHKカルチャーラジオ ホームページ ▶http://www4.nhk.or.jp/P1928/

現代音楽作曲家 薮田翔一 オフィシャルサイト ▶http://shoichi-yabuta.jp/

第5回【20世紀後半の現代音楽(1)】

聴覚に頼るのではなく、システマチックに音を構成したり、コンセプトを重視した作曲方法を始めた20世紀の作曲家。

第二次世界大戦後、十二音技法から発展したのが『セリエル音楽』である。

‥前回の講義から登場した「十二音技法」につづき「セリエル音楽」も、一般的になじみのないものです(^-^;調べると面倒なことが書いてあります、たぶん。概要だけざっくり掴んでおけばいいと思います!それでもじゅうぶん、音楽は聴けます。

 

セリエル音楽とは

十二音技法は、1オクターヴの中にある12の音を均等に使う音楽でしたが、セリエル音楽は、12個の音(つまり音の高さ)だけではなくて、音の長さや強弱についても、均等に使う音楽。

音楽を作っている、音程・リズム・強弱などを12段階に数列化して、論理的に作曲する方法です。

均等に使うということは、1回ある音(長さ・強さ)を使ったら、他の11音を使うまで同じ音は使えません。=繰り返しを避ける なんだか音楽というよりも数学っぽいですよね。日本では、藝大よりも東大出身者がこの研究を行っていたとかなんとか。

音楽は繰り返されることで覚えてもらえるものであり、セリエルの音楽は意図的に反復を避けているため、覚えることは不可能に近い。

今回の講座の1曲目の紹介は◆ブーレーズ作曲「ストリクチュール」でした。

<ザ・現代音楽>という感じの曲です。(2・3曲目を貼り付けたいので、こちらは省略しま~す)

 

◆ジョン・ケージ作曲「4分33秒」

何度聴いたとしても、コンセプトを理解しなければわからない音楽がある

という薮田氏の言葉の後に紹介されたのがこの曲。

巷でも「こんな面白い曲がある!」となかなか有名な「4分33秒」ずっと休符の曲ですね。

この曲のすごいところ

  1. 『新しい概念の創造』をした(これまで価値がなかったものに価値を見出し、これまでの価値観を変える)
  2. 1曲で決定打を打ってしまった(無音の音楽はこの1曲だけで終わってしまった。この後に続く音楽は作れない)

この曲は、ただ座ってるだけなんだから誰の演奏も一緒だろうと思ったら大間違いなところも、面白い。いろんな演奏があります。ちゃんとCDとかも発売されていますが、動画のほうがいいかも。

でも生で一度聴きたいですね。

 

◆ルチアーノ・ベリオ作曲「シンフォニア」より第3部

マーラーの交響曲第2番「復活」の第3楽章の上に様々な曲の引用が重なっている曲。

クラシック好きな方には、この曲が引用されてこうなるのか!というのが面白いし、そうでなくても単純に音響が面白いです!

※ 冒頭 音量注意

これも、いろいろ聴き比べると違いがわかりやすいです。

 

コラム「作曲家は冒頭に命を懸ける」

曲の中で一番目立つのは曲の冒頭です。

特に最初の30秒は曲の自己紹介でもありますし、ここでつまらないと感じると、その先まで聴いてもらえないことも多い。小説やスピーチと似ているかもしれないと仰っていました。

著名な曲の冒頭はどうでしょう。

  • ベートーベン作曲「運命」は、シンプルかつ強い印象
  • チャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲第1番」は、ソリストとオケが全エネルギーを注ぐようなはじまり

なるほど‥確かに、冒頭が印象的な曲はと考えると、考える必要がないくらいに浮かびますね。私の大好きなブラームスの交響曲なんかも、みんなそうです。

だから、作曲家は最初の一音に悩む。
作曲家が曲に込めた思いや仕掛けが凝縮されているのもまた、曲の冒頭の部分であるというお話でした。

 

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