ほしなみ☆ろぐ

茨城県取手市のピアノの先生です。このブログは2018年5月に移転しました

芸術その魅力「現代音楽入門講座」第9回(全12回)

   

NHKラジオ第2 毎週水曜 夜8:30-9:00放送『現代音楽入門講座』 講師は、現代音楽作曲家の薮田翔一氏です。

NHKカルチャーラジオ ホームページ ▶http://www4.nhk.or.jp/P1928/

現代音楽作曲家 薮田翔一 オフィシャルサイト ▶http://shoichi-yabuta.jp/

第9回【21世紀の現代音楽について】

私たちのまわりの音楽環境

『ここ15年程の間に、音楽の聴き方は大きく変わり、動画サイトで簡単に聴けるようになった。
これまでは、手に入り難い楽譜を海外まで探しに行くこともよくあったが、現在は音源と同時に楽譜を上げるということもできるようになった。

個人で発信できるようになったことは、現代音楽にさらに多様性を与えることになった。作曲を学ぶ際の学習方法も変わってきたのではないでしょうか。』

といったお話がはじめにありました。これはピアノ教室を選ぶときや、ピアノを習うという事に於いても同様で、昔とは大きく変わりましたよね。

教室の先生方が自ら発信し、独自の特徴をアピールしたりですとか、趣味として自分で楽しむだけではなく動画を上げ共有したり、楽譜の購入も便利になりました。

 

最近の現代音楽は聴きやすい!

『近年では実験的な作品は少なくなってきた』という話。

ロマン派以降、現代音楽では音楽の3大要素が複雑になり、理解が難しい音楽になり、セリエル音楽などで覚えることも困難になっていった。その複雑な音楽に限界がきて、作曲家は新たな可能性を探っていきます。

全部の要素を複雑にせず、ある要素だけ複雑にするとどのような音楽ができるだろうか?そのような方法でつくられた音楽が紹介されました。簡単な分析を交えたお話でした。

(今回ちょっと文章で説明し辛い内容で、うまくまとめられないかも‥)

 

◆ベアート・フラー「presto プレスト ~フルートとピアノのための」

フルートとピアノの2重奏曲。冒頭からピアノの和音が繰り返され、その上にフルートの速い(presto:速度記号で一番速い)フレーズが演奏される。
ピアノの和音の反復が、この曲を聴くための基準になるようなイメージで、それにフルートが乗ることで理解しやすくなっています。

▶Beat Furrer: Nuun, Presto, Still & Poemas(こちらのリンクはamazonですが、少し視聴できます)


この曲の分析の話が少し理解し難かったのですが(読解力が足りず)、私なりに次のように聞きました。

繰り返されるピアノの和音について

  • この曲の和音=ド・ミ・ラ♯・シ はコードネームで書けないような和音である
  • 転回(音の順番をラ♯・シ・ド・ミに)してみると、トーンクラスターのような響きでもあり、特に低音だと音がつぶれてしまう

「トーンクラスター」という書法・奏法は、は毎回違う音が鳴るような偶然性のあるもので、近年ではほとんど使われない)

このため、
ただ普通の配置で和音を鳴らすのではなく、音を離すことを思いついた。

簡単な音で例えると、ド・ミ・ソと普通に鳴らすと誰でも弾いたことのある平凡な和音ですが、ソだけずっと離れた音で取ると魅力が増す。ということ。

反復の処理に注目

反復、つまり延々と同じことを繰り返すわけですから、ただ繰り返しているばかりでは聴く方も飽きてしまう。音域、動きを限定することで、変化をつけている。(ここの説明・音源がよく聴けなかった気がする。汗)

そして反復しているものを、どのように止めているかというと、中音域へ移動し、分散和音へ変化させている。

 

◆望月 京「キメラ」

テクノ音楽から影響を受けている曲。
(民族音楽や伝統芸能だけではなくジャズなどいろいろなものから影響を受けることがある)

お恥ずかしながら‥テクノ音楽、というのがわからなくて、講座を聴きながらはあまり理解できませんでした。知らないと音源聴いていてもナルホド~とならずチョット消化不良。なんとなくぽわーん、とイメージはできるのですが(;^_^A

望月さんのインタヴュー記事があって、面白かったのでリンクさせていただきます。

▶作曲家の望月京さん 今どきの現代音楽を語る(NIKKEI STYLE)

 

◆ベルンハルト・ガンダー「バニー・ゲームズ」

15曲から構成されています。それぞれの楽章は短く明確な違いがあるので、聴きやすい音楽であるとの紹介です。

Bernhard Gander: Bunny Games(こちらもamazonで、視聴できます)

 

21世紀の現代音楽は、新しいものを追求しながらも、聴衆にとって、聴いていて魅力が感じられるものを‥という流れになっている。(20世紀とは違う方向性)

聴きやすい音楽構成って何か?というと、たとえばこの曲のように、1時間連続で演奏するよりも、楽章を分けるようにするなど。

文章の句読点や段落と同じで、区切りがあると格段に理解しやすい。コンサートでも、1時間も連続で集中して聴くなんていうのはなかなか辛いですもんね。

ということで、はじめにも書いたように、『50年前の曲より10年前の曲のほうがわかりやすかったり、私たちにとってより身近な音楽』かもしれません。という今回の講義のテーマでした。

◆クレメンス・ガーデンシュテッターの曲も紹介されたのですが、割愛させていただきます)

 

コラム『作曲コンクールについて』

作曲家も(演奏家と同様)、コンクールで有名になり、作曲家として活躍する人が多い。

それは、無名の作曲家の曲をオケで演奏してもらう機会がないから、という理由によるところも大きいそうです。

実際に薮田氏の師も、「作曲のレッスンを100回受けるより、1回演奏してもらうほうが価値がある」と、よく仰った。実際に多くのコンクールを受けてきて、作曲した曲を演奏者に演奏してもらうと多くのことを学べたそうです。

コンクールが大切な学びでもあるというのは、大きく頷くところでしょう。ときに結果に振り回されてしまうとか、目標をはき違える、挫折するなど、様々な弊害もあるけれど、それだけ大きな変化・効果をもたらす場であるので、これを活かして大きな力にしていくことができれば素晴らしい。

作曲というのは、やはり人に演奏してもらうものなので、コンクールでも最終的にはその演奏してもらったものを評価されます。(1次審査は提出した楽譜を採点される)この話の最後に薮田氏が「とにかく演奏が上手くいくことを祈ります」と仰っていました。

 

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