実は知らない「エリーゼのために」
以前の教室のおたよりで、作曲家を紹介するクイズを載せたとき、ベートーヴェンが「エリーゼのために」を作曲したことを書いたら、
ある生徒:「エリーゼのためにって ベートーヴェンなんだ~!」
そうなんですよ~!
有名すぎるほど有名な曲だから
誰でも それこそピアノに興味のない方でもご存知かと、思い込んでいた私です。
ずっとピアノばかり弾いていると、そういうことがなかなかわかりません(-_-;)
”みんなしってるだろう” という思い込みがいったい自分にどれほどあるのか、反省しました。
『エリーゼのために』
曲のタイトルのこと
ちょっと本格的に(?)いうと「バガテル WoO.59 エリーゼのために」なんて感じになりますよ。
「バガテル」というのは「ちょっとした小品」というような意味です。
「WoO.59」は、曲の整理番号みたいなもの。
ベートーヴェンはこの曲に作品番号をつけていなかったのですが、ベートーヴェンの研究をしている人が、あとから番号をつけました。
エリーゼってだれ?
ベートーヴェンが愛した女性《Therese テレーゼ・マルファッティ》のこと。(他の説もありますが)
イタリア出身の裕福な商人、ヤーコプ・フォン・マルファッティ家の夜会に出入りするうちに、娘のテレーゼに恋をし、求婚しますが、拒絶されてしまったようです。
テレーゼ・マルファッティ
- テレーゼがこの曲の原稿を持っていた
- 自筆譜には"エリーゼのために 4月27日に ベートーヴェンへの思い出のために"と書かれていた
という話もありますが、この自筆譜は消失していて、真相のわかるものはないようです。
(テレーゼと書いたが、はっきり読めなくてエリーゼになったといわれます)
※ 2009年、ベルリン在住の音楽研究者クラウス・マルティン・コピッツ氏により、「エリーゼ」は、ベートーベンの知人(テノール歌手ヨーゼフ・アウグスト・レッケル)の妹のソプラノ歌手エリザベート(1793~1883)の可能性が高いと発表されました。
エリザベート
もうひとつの「テレーゼ」
他にもう一曲、テレーゼの名がついた曲があります。
『 ベートーヴェン ピアノソナタ第24番「テレーゼ」 Op.78 』です。
でもこちらは、同じ名前の別人。《テレーゼ・フォン・ブルンスヴィック 伯爵令嬢》に贈られた曲です。
テレーゼというひとを想像するに難くないロマンチックな愛らしい曲。
ベートーヴェンは彼女から贈られた肖像画を大切に持っていたそうです。
私は高校生のときに友人が弾いているのを聴いて、素敵な曲だなぁ♪と思い、その後自分も弾いたときとても嬉しかったです。今でも大好きな曲のひとつです。
「エリーゼ」ってなんだか とてもロマンティックですね。