人前で演奏したくない(できない)ピアノの先生へ【反響多数】

この記事は2015年に書いた記事をリライトしたものです。2018年まで公開していた間、大変多くの方よりコメント・メッセージをいただきました。
5年経った今も同じ想いですが、当時の自分の文章に違和感があるため、書き直して再掲致します。

なぜ弾けないと思ってしまうのか?

ピアノの先生は、ピアノが上手です!

‥って当たり前ですよね。

ピアノの先生ですもの。

でも、多くの先生が

自分が上手とは思っていない‥ 思えていないのではないでしょうか。

失敗したらどうしよう😨と、発表会の講師演奏も弾けなかったり‥

どんなに緊張しても「弾きたい」→「弾こう」と思えるなら問題ないですが

「弾きたくない」→ 「弾かない」 と思ってしまうとしたら

ピアノの先生していると、しんどい場面が多くなってしまいますね。

自分は上手ではないと感じるのは、○○な人

ピアノの先生なら、よ~くご存じのはずですが‥

弾けば弾くほど、奥深さを知り、自分に向き合うことになりますよね。

上手だからこそ、自分の納得できる演奏ができない。

自分はまだまだ弾けていない、もっと弾けるようになりたい、そう思うからこそここまで上達できたはず。

そういう域ではなくて、本当に弾けなくて‥ と思われる方は、幼いころの自分を思い出してください。

全然弾けていなくても、それすらよくわからなかった頃がありませんか?

まだ、自分の演奏を批判できるだけの材料も もっていなかったのですね。

ひとつの価値観にとらわれないで

私を含めピアノの先生は、自分のピアノにはなかなか専念できないということも多いでしょう。

思う存分練習できるわけでもなく、ピアニストみたいに「上手」でもない。

ですが、「上手じゃないから」弾けない弾きたくない…

大好きで熱中した、ピアノなのに

いつからそうなったのでしょうか?

専門的に勉強してきた間には、競争も起こるし、時には実技の成績がすべてだったり、、

コンクールや試験など、点数が付き 順位が付く世界は、厳しいですよね。

子供時代から、多感な時期をそうして過ごしてくると、

それが当然になりがちですね。

でも よく考えれば、そんな価値観はごく一部の話でしかありません。

音楽の偉大さは、そういう価値観の外にあります。

もっと、温かい世界もあるんです。

ピアノ教室は、どんな場所?

ピアノ教室は、温かい場所でありたい

私は、生徒がたった1フレーズが弾けるようになることが、とても嬉しいです。

昨日、生徒のMちゃんのレッスンで、地味な部分練習をやりました。

何度も動きを確認して、よし弾いてみよう!

弾けた!

2人で「できた!やった~!」と叫びました😍

そうやって昨日一生懸命仕上げた曲ですが、コンクールで入賞するような仕上がりではありません。

でもすっごく上手に弾けたんです!

私とMちゃんにとっては、感動する演奏でした!

頑張って仕上げた曲、

ご家族にも、お友だちにも、聴いてほしい

きっと皆 盛大な拍手を送ってくれるんじゃないかな♡

発表会も同じですね。

ステージに立つだけで立派なことです。

一生懸命ピアノを披露する姿に感動します。

もし失敗したとしても、だれがひどい事を思ったりするでしょうか。

成長の場・発表の場で、音楽の素晴らしさを共有する

それが、教室の役割でもあると思います。

ピアノ教室は、そういう温かい場所ですから。

先生の演奏を「へたくそ」なんて、誰も思わない。

だって、当然、先生も失敗することはありますよね。

そんな当たり前のことで、生徒たちは先生を悪く思ったりはしないです。

自分と生徒のために

自分の努力と演奏を認める

ピアノ弾けるって、すごいですよね。

ちょっと練習したくらいでは弾けないこと、私たちはよく知っています。

ある程度弾ける人に対して、間違いなく努力してきたのだな と認められるはずです。

できないことをいくつも乗り越え、先生に毎週怒られても踏ん張って(昔は怖い先生だらけでしたね)、継続してきたのです。

そうして頑張ってきたのに、

<上手に弾けるか自信がない><どう思われるか気になって弾けない>

もしそんな生徒がいたら、なんて声をかけますか?

それを、自分に言ってあげましょう👍

先生自身がきちんと自分を認められなければ、説得力がありません。

生徒をきちんと認めるためにも、まず自分からです‼️

マジメすぎ注意!

こんなお悩みを実際に伺ったことがあります。

  • 本番はそのとき一回きりで、取り戻せない という恐怖
  • 解釈を間違っていたら?この弾き方で良いのか? という不安

このために、堂々と弾けないということでした。

本番の緊張感・音を出す覚悟 それはあって当然です

解釈や弾き方というのも、迷うこともありますね

ただ…場合によってはそのマジメさ、ちょっと置いておいても良いかもしれませんね?

ちょっとミスったくらいで、誰にも害を与えませんし。

もしなにか間違っていたら、訂正してもいいと思います。

真摯なのは素晴らしいけれど、そのために小さくなってしまうよりも

ときには大胆に表現するほうが、楽しいですね。

なにより、その曲の良さやピアノを愛する気持ちを伝えよう!という姿勢が

生徒にも伝わる素敵な演奏になるのではないでしょうか。

私は先生の演奏が聴きたいです

もしこれを読んでくださっているあなたが、

自分は上手じゃないと思っているとして

それでもピアノを弾いているのはなぜですか?

好きだから

癒しだから

唯一できることだから

それこそが、何より大切で、生徒にも伝えたいことなのではないかと思います。

演奏は純粋に技術なのか? そうではありません。

自分が弾く理由・想い 

それには大きな価値があり、人を感動させるストーリーがあります。

そんな想いを乗せた演奏を、私は聴きたいなと思います!